日本は「遅滞なく」デジタル円を発行すべきと有識者会議が提言
日本は中央銀行デジタル通貨(CBDC)を「遅滞なく」発行すべきだと、デジタル円の実現可能性を調査している政府の有識者会議が提言した。
有識者会議は大学教授、産業界の専門家、一流シンクタンクの研究者で構成され、財務省の委託を受けた。同パネルは、デジタル円がもたらす機会、現在の日本経済における需要、デジタル円がもたらす課題とリスクについて調査した。
日本銀行(BOJ)が遅滞なくデジタル円を発行し、法定通貨としての地位を与えることを提言している。同パネルは、CBDCは現金と共存すべきであるとし、「CBDCは現金に取って代わるのではなく、補完するというのが基本的なスタンスであるべきだ」と述べた。
デジタル円は、現金多消費社会である日本特有の課題に直面している。日本は米国、中国に次ぐ世界第3位の経済大国であるにもかかわらず、デジタル決済が席巻している現在でも現金に依存している。
9月の調査では、日本人の3人に2人が平均5,000~20,000円(35~140ドル)の現金を持ち歩いていることがわかった。ある調査では、90%以上が最も好ましい支払い方法として現金を挙げている。ジャパンタイムズによると、家計が保有する資産の半分以上は現金と預金である。対照的に、隣国中国ではアリペイとウィーチャットペイが決済を支配しているため、現金はほとんど存在しない。
同委員会の報告書はまた、デジタル円を「いつでも、どこでも、誰でも」使えるようにすることも提言している。
CBDCは金融包摂を推し進める最良のデジタル方法と考えられているが、一部の中央銀行は、社会から疎外された人々が利用できるようにしない限り、CBDCが逆効果になる可能性があると報告している。例えば、ナイジェリアでは、eナイラがまだ多くの人がアクセスできない銀行システムに織り込まれているため、中央銀行が想定していた牽引力を得ることができていない。
プライバシーについては、日本銀行がアクセスし、保有する利用者情報を最小限に制限するよう提言した。報告書はまた、中央銀行は商業銀行と協力し、消費者との直接的な関わりを制限すべきだと付け加えた。
中央銀行のデジタル通貨と、その創設と立ち上げの際に考慮しなければならない設計上の決定事項の詳細については、nChainのCBDCプレイブックをお読みください。