ホワイトハウスのデジタル資産報告が国際DLT送金プロジェクトに与える影響

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ホワイトハウスのデジタル資産報告が国際DLT送金プロジェクトに与える影響
ホワイトハウスのデジタル資産報告が国際DLT送金プロジェクトに与える影響

ホワイトハウスのデジタル資産報告が国際DLT送金プロジェクトに与える影響

1. 背景

  • 2025年1月、トランプ大統領の大統領令でCBDC(中央銀行デジタル通貨)を全面禁止。
  • 同時に、大統領直属の作業部会(連邦準備制度理事会や銀行規制当局は除外)が包括的なデジタル資産政策フレームワークを作成。
  • 最新の166ページに及ぶ報告書では「政府発行通貨より民間部門のイノベーション優先」が強調される一方、政策内容は複雑なニュアンスを含む。

2. 小売型CBDCと卸売型CBDCの区別

  • 当初のCBDC禁止は一律に見えたが、下院が可決したAnti-CBDC Surveillance Actは小売型CBDC(個人向け)を対象。
  • 卸売型CBDC(金融機関間決済用)については明確な禁止ではなく、余地が残されている。
  • この区別は国際的なDLT(分散型台帳技術)を活用したクロスボーダー決済プロジェクトにとって極めて重要。

3. 国際送金とCBDCの現状

  • 世界では中央銀行マネーのトークン化を通じ、国際送金の効率化を目指すプロジェクトが進行中。
    例:BIS(国際決済銀行)主導のプロジェクトや複数国間の実証実験。
  • 米国が卸売型CBDCに消極的になれば、これらの国際決済近代化の流れから取り残されるリスクがある。

4. 報告書の姿勢

  • 公的通貨発行への否定的姿勢は維持しつつも、民間主体のステーブルコインや分散型インフラ活用には前向き。
  • ただし、連邦準備制度や銀行規制当局と対立的なトーンがあり、国内金融システムとの整合性は課題。

5. まとめ

  • 新政策は「小売型CBDC禁止+民間主導推進」の方向を明確化。
  • 卸売型CBDCやトークン化中央銀行マネーは完全排除ではないため、国際DLT送金プロジェクトへの関与余地は残る。
  • 米国がこの分野で積極的に関与するか否かが、グローバル決済の主導権争いに直結する。

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