以下は記事 「Sentinel Global founder warns stablecoins mirror CBDC risks」(出典:Cryptopolitan、2025年10月19日)の日本語まとめです。

🧠 概要 ⚠️ クランツ氏の主張:ステーブルコイン=「中央ビジネスデジタル通貨」
Sentinel Globalの創設者兼マネージングパートナー、ジェレミー・クランツ(Jeremy Kranz)氏は、民間発行のステーブルコインに対し、中央銀行デジタル通貨(CBDC)と同様のリスクが存在すると警告しました。
さらに、これらの通貨にはCBDCにない独自の脆弱性も含まれていると指摘しています。
⚠️ クランツ氏の主張:ステーブルコイン=「中央ビジネスデジタル通貨」
クランツ氏は、民間のステーブルコインを「中央ビジネスデジタル通貨(Central Business Digital Currency)」と呼び、以下の点でCBDCと同様だと説明しました:
- 監視・追跡機能を内蔵している
- プログラム可能性(programmability) により発行者が制御できる
- 資金凍結や取引制限のリスクがある
例:JPモルガンの場合
もしJPモルガンがドル連動ステーブルコインを発行し、パトリオット法などの法律の下で運用した場合、
口座凍結や送金停止を任意に実施できると述べています。
🏦 システミックリスクと「バンクラン」の可能性
クランツ氏は、裏付け資産を多く保有する発行者でも、
大量の換金要求(バンクラン)が起きれば耐えられない可能性があると警告しました。
また、アルゴリズム型・合成型ステーブルコインは複雑な取引やソフトウェアによって価値維持を図るため、
市場の急変動やデリバティブ市場の崩壊時にペッグ喪失(ドルとの連動切れ)が起こるリスクを強調しました。
⚙️ 技術の中立性と投資家の責任
クランツ氏は「技術そのものは中立的であり、善にも悪にも使える」と述べ、
投資家がリスクを理解し、慎重に判断する責任があると強調しています。
ステーブルコインやトークン化技術の急速な発展について、
「10のブラックスワンイベントが同時に起きているようなもの」と形容しました。
🇺🇸 GENIUS法案と米議会の反応
一方で、DeFiLlamaのデータによると、2025年10月時点でステーブルコイン市場の総価値は3,000億ドル超に達しています。
この背景には、**米国で7月に可決された「GENIUS法案」**の影響があります。
- 上院:ビル・ハガティ上院議員(テネシー州)が提案し、68対30で可決
- 下院:現在、「STABLE法案」として審議予定
両法案はステーブルコインを規制対象とするもので、
一部議員からは「CBDCへの抜け道(トロイの木馬)」と批判されています。
マージョリー・テイラー・グリーン議員の発言
ジョージア州選出のグリーン議員は、X(旧Twitter)で次のように警告しました:
「この法案はステーブルコインを規制するふりをして、CBDC導入への裏口を作るものだ。
連邦準備制度は何年も前からCBDC導入を計画しており、
これは政府があなたの取引を制御する“キャッシュレス社会”への第一歩だ。」
🧭 まとめ
- クランツ氏は、民間ステーブルコインの構造的リスクと規制上の懸念を指摘。
- 米国ではステーブルコインの法的枠組みが整備されつつあるが、CBDC化への懸念が高まっている。
- 投資家にとって、安定性の裏に潜む監視・管理リスクを理解することが今後より重要になる。






