【まとめ】シンガポールがトークン化金融へ大きく前進:CBDC決済の国債試験発行、安定通貨規制、国際連携も加速

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【まとめ】シンガポールがトークン化金融へ大きく前進:CBDC決済の国債試験発行、安定通貨規制、国際連携も加速
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【まとめ】シンガポールがトークン化金融へ大きく前進:CBDC決済の国債試験発行、安定通貨規制、国際連携も加速

2025年11月、シンガポール金融管理局(MAS)は、トークン化されたMAS(政府)債券をCBDCで決済するパイロットを開始することを発表しました。これは同国のデジタル資産戦略において象徴的な進展であり、シンガポールが“次世代金融インフラ”の中心地としてさらに存在感を高める動きです。

この記事では、FinTech Festivalで明らかになったポイントを中心に、MASの最新方針をまとめます。


1. MASが「トークン化MAS債」をCBDCで決済へ:実験段階から実装フェーズへ

■ パイロット内容

MASのチア・ダー・ジウン(Chia Der Jiun)総裁は、次のように述べています:

「資産担保型トークンは、ラボ段階を明確に脱した。しかし大衆普及の“脱出速度”にはまだ達していない」

つまり、単なる実験ではなく、実際の金融機関が日常業務に使う段階に近づいていることを示唆しています。


2. DBS・OCBC・UOBの3大銀行がCBDCでインターバンク融資を実施

MASは同時に、以下の主要銀行がシンガポールドルの卸売CBDCを使って銀行間の翌日物貸出を実施したと発表:

  • DBS
  • OCBC
  • UOB

結果は2026年に詳細公開予定。
この動きは、トークン化資産(Tokenized Finance)の実運用化に向けた重要なステップとなります。


3. MAS、安定通貨(ステーブルコイン)規制の最終化を発表

MASは ステーブルコイン規制の枠組みを完成させ、まもなく法案として提出すると発表。

● 対象

  • シンガポールドル(SGD)
  • 米ドル、ユーロなど主要通貨連動の単一通貨ステーブルコイン

● 重視ポイント

  • 確実な準備金(reserves)
  • 安定した償還(redemption reliability)

チア総裁は、未規制ステーブルコインには「ペッグ維持の失敗」「連鎖的な不信」の危険があり、
2008年のマネーマーケット危機のような“システミックリスク”を生む可能性を指摘しました。

MASは、国際動向(EUのMiCA、米国の遅れなど)も見据えつつ、
“信頼性重視で、狭く深い”規制を設計しているのが特徴です。


4. プロジェクト・ガーディアン(Project Guardian)で実証された成果

2022年から続く「Project Guardian」での成果がさらに実用段階へ。

■ 主な成果

  • トークン化された債券・マネーマーケットファンドがすでにオンチェーン取引
  • 銀行がトークン化キャッシュマネジメントを提供
  • FX、債券、ファンドの取引で即時決済(PvP/DvP)が確認
  • 中間コスト減少、プリファンディング不要化

ただし、標準化・ネットワーク間の相互運用性・安全な決済資産の拡大が足りず、「escape velocity」にはまだ到達していないと指摘。


5. 新たなガイドラインと国際協調:資本市場トークン化へ明確な道筋

MASは、以下を新たに発表:

  • 「資本市場商品のトークン化」に関するガイドを公開予定
  • UKなど国際規制当局と協働し、グローバル基準を調和

これにより、企業や金融機関がトークナイズド証券をどのように扱うかの不透明感が解消される見込み。


6. BLOOMイニシアティブ:トークン化負債や規制ステーブルコインの実証促進

MASは新たに BLOOM と呼ばれる取り組みを発表。

  • トークン化された銀行負債
  • 規制されたステーブルコイン
    の実証プロジェクトを促進するもので、
    安全かつ拡張可能なトークン化金融システムを構築する狙いがあります。

7. 国内ビジネス環境の変化:Coinbaseがシンガポール企業向けサービスを開始

Coinbaseは、初の国際展開として「Coinbase Business Singapore」をローンチ

  • 即時USDC決済
  • グローバル送金
  • 統合取引ツール
  • 自動化された会計機能

シンガポールのスタートアップ・SMBの利便性が大幅に向上しています。


8. 専門家の評価:「バランス型かつ世界最先端のトークン化戦略」

複数の専門家がMASのアプローチを評価:

● “バランスの取れた中道”

厳格な消費者保護 × 積極的なトークン化推進

● MiCAより狭く深い、銀行級の安全性

規制は厳しいが、イノベーションを阻害しない設計と評価。

● 改善要望

  • スタートアップ向けの参入ハードルを下げる
  • 国際標準の早期導入
  • 実証段階から本格商用化への推進強化

■ 結論:シンガポールは「実証」から「実装」フェーズへ

今回の一連の発表は明確に、
シンガポールがトークン化金融・CBDC・ステーブルコインの世界的リーダーへ本格的に踏み出した瞬間です。

2026年に予定される新たな報告書・法案・商用化プロジェクトにより、
同国は“最も信頼されるデジタル資産ハブ”としての地位を確固たるものにする可能性があります。


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