以下は、記事 「CBDCs vs Stablecoins: How to Profit from the Fight Over Your Dollars」(Stephen Wooldridge II、2025年10月20日公開/21日更新)の日本語まとめです。

🧭 CBDCとステーブルコインの決定的な違い概要
- CBDC(中央銀行デジタル通貨)とステーブルコインはいずれも「デジタル経済で使えるお金」を目指すが、設計思想・統治構造・プライバシーが正反対。
- 著者は、当面の勝者はステーブルコインだとし、投資妙味はコインそのものより“レール(ブロックチェーン)”にあると主張。
🪙 CBDCとステーブルコインの決定的な違い(要点)
- 発行主体:CBDC=中央銀行/ステーブル=民間企業やDeFiプロトコル
- 統治:CBDC=中央集権・許可型台帳/ステーブル=分散台帳(ブロックチェーン等)
- 政策リンク:CBDC=金融政策に直結(プログラマブルで金利・用途制限も理論上可能)/ステーブル=政策中立
- プライバシー:CBDC=政府による完全追跡が前提/ステーブル=銘柄ごとに差があるが一般によりオープン
- 普及動向:CBDCは多国が研究・実証を進めるが、実利用は限定的。一方でステーブルは流通残高・決済額とも急拡大。
🏛️ CBDCのねらいと含意
- 危機対応の即効性:仮に2008年当時にCBDCが普及していれば、ゼロ金利やマイナス金利を直ちに家計・企業残高へ反映できたはず、という仮説。
- ただしその分、国家が個人マネーに直接介入し得るというコスト(統制・プライバシー懸念)を伴う。
💵 ステーブルコインの現在地
- USDT/USDCなどが暗号資産市場の清算・送金の基盤に。
- 年間取引規模は数十兆ドル級との外部推計が紹介され、Visa/Mastercardの決済額を上回る水準に。
- 規制整備も前進:米国のGENIUS法(2025年7月可決)、EUのMiCAなどが準備金の透明性・コンプラ基準を明確化。
- 企業導入が加速:Fireblocks調査で約86%の法人がステーブル対応可能と回答。
🌍 国際動向(スナップショット)
- 中国:デジタル人民元(e-CNY)が最も成熟した大規模パイロット。
- インド/ブラジル/英国/スイス/カナダ:先進的な実証や研究段階。
- 米国:連銀は研究継続も、議会・政権の明確承認がなく停滞。
- 結論:短中期はステーブル優位、長期的にはCBDCも不可避的に進展するとの見立て。
📈 投資インサイト:利益は「レール」に宿る
コイン単体ではなく、利用が増えるほど価値捕捉が起きる基盤(レイヤー)に注目。
- Ethereum(ETH):ステーブル利用増→ガス需要増・手数料燃焼で需給に追い風。
- Hedera(HBAR):ハッシュグラフで高速・スケーラブルな企業向け基盤を志向。
- Polygon(POL):L2スケーリングで大手(Stripe、Nike、Reddit、Starbucks等)と連携実績。
- いずれも「トランザクション量の増加=基盤トークンの価値ドライバー」という構図。
ボトムライン:デジタル資産の普及はまだ初期。採用(adoption)↑ → 基盤需要↑ → ネイティブ資産価値↑ の連鎖を狙う。
🛡️ CBDC時代への備え
- セルフカストディ(自己管理ウォレット)や基本的なオンチェーン操作に慣れておくことが、
将来のCBDC普及局面でも金融的主権(sovereignty)を保つ手段になり得る。 - 著者らは独自スコア(UPDRAFT)で、コミュニティ・チーム・分散度などを評価し投資先を選別。
✍️ CBDCとステーブルコインの決定的な違いまとめ
- 当面の主役はステーブルコイン:規制明確化+法人導入で実需が拡大。
- 利益の源泉は“使われるほど価値が出るレール”(ETH/L2/エンタープライズDLS)。
- CBDCは長期テーマ:統制リスクと引き換えに政策即効性を持つ。備えとしてセルフカストディ習熟を。




