中国、デジタル人民元停滞で安定コイン構想へシフト──ドル基軸への挑戦狙う

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中国、デジタル人民元停滞で安定コイン構想へシフト──ドル基軸への挑戦狙う
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中国、デジタル人民元停滞で安定コイン構想へシフト──ドル基軸への挑戦狙う

長年推進してきた中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタル人民元(e-CNY)」が停滞するなか、中国は新たに人民元建てステーブルコインの可能性に注目し始めている。

■ e-CNYの停滞と信頼失墜

デジタル人民元は、当初「中国のデジタル決済の未来」と期待されていたが、普及の遅れや主要設計者を巡る汚職スキャンダルによって momentum(推進力)を失った。結果として、CBDC推進の旗印だった政策が揺らぎ、当局はより柔軟な代替案としてステーブルコインへ目を向けている。

■ 背景:米ドル建てステーブルコインの拡大

世界の貿易・国際送金市場では、USDTやUSDCといった米ドル建てステーブルコインが存在感を増している。中国にとっては、ドルの影響力がデジタル資産領域でも強まることへの懸念があり、人民元建てのデジタル通貨を使った競争力確保が急務となっている。

■ 香港の役割と規制動向

中国本土の慎重姿勢とは対照的に、香港では法定通貨担保型ステーブルコインの発行を規制下で認可する法律が成立。これにより、人民元ステーブルコインの実験場として香港が活用される可能性が高い。

■ 課題:資本流出とマネーロンダリング

人民元の国際利用拡大は中国政府の戦略目標である一方、ステーブルコインの導入には資本流出やマネーロンダリングへの懸念がつきまとう。こうしたリスクが、中国全土での迅速な採用を妨げる要因となっている。


✅ ポイントまとめ

  • デジタル人民元(e-CNY)の停滞を受け、中国は人民元ステーブルコインを検討
  • 米ドル建てステーブルコイン(USDT/USDC)の貿易利用拡大が背景
  • 香港が規制下でステーブルコイン発行を認可し、試験場の役割を担う可能性
  • 資本流出・マネーロンダリング懸念で全国的な普及は慎重姿勢

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