
韓国のCBDC計画中止でカカオバンクがステーブルコイン市場参入へ
1. 背景
- 韓国銀行(BOK)は中央銀行デジタル通貨(CBDC)パイロットを6月に中止。
- 李在明大統領の政権が国内でのステーブルコイン発行を可能にする法案を提出したことがきっかけ。
- 政策転換により、民間主体によるステーブルコイン市場が急速に拡大。
2. カカオバンクの動き
- カカオバンクCFOの権泰勲氏は、発行とカストディ(保管)双方の役割を「積極的に検討中」と発表。
- カカオグループ内の他部門(カカオ、カカオペイ)と戦略を統合する社内タスクフォースを編成。
- 技術面では、BOKのCBDCパイロット両フェーズに参加し、ウォレット構築、送金・交換業務を運営した実績あり。
- 3年間にわたり暗号資産取引所向けの実名口座発行とコンプライアンス業務を行っており、KYC/AML対応でも優位性。
3. 市場動向と影響
- カカオバンクは、規制下にあるオンライン銀行として参入することで、韓国のフィンテックによるステーブルコイン競争をさらに加速。
- カカオ、カカオペイ、カカオバンクのCEOが主導する週次ステーブルコイン特化タスクフォースで連携。
- この動きは香港の事例とも並行し、中国人民銀行のCBDC(デジタル人民元)への関心が低下する中、香港では民間による発行ライセンス取得の動きが活発化。
- 市場では投機的熱気も高まり、2025年6月に上場したCircle株が韓国の個人投資家による最も購入された外国株となった。
4. まとめ
- 韓国のCBDC中止 → 民間ステーブルコイン促進という政策転換が、
カカオバンクをはじめとするフィンテック企業の新規事業チャンスを創出。 - カカオバンクは技術力・規制対応力・グループ連携を武器に、国内ステーブルコイン市場で先行優位を狙う。