インド北部のジャンムー・カシミール連邦直轄領(J&K)で、食料などを低価格で配る公的配給制度(PDS)に中央銀行デジタル通貨(CBDC)を活用するプロジェクトが動き出します。現地メディアの報道によると、2026年11月5日に食料・民生供給・消費者局(FCS&CA)のサウラブ・バガト次官がオンラインで会議を開き、導入スケジュールと準備状況を確認しました。
3段階で全域へ展開
- 11月15日:ジャンムー県とスリナガル県で試験導入を開始
- 11月30日まで:サンバ、カトゥア、ウダムプールの3県に拡大
- 12月31日まで:連邦直轄領の全域をカバー
準備作業では、国家情報センター(NIC)と国営のパンジャブ・ナショナル銀行(PNB)が、受給者データの検証とホワイトリスト登録、配給店(公正価格店)の店主向けログインIDの発行を急ぐよう指示されました。PNBはジャンムー県で関係者向けの研修計画もまとめます。各県には、受給者データの準備や技術的な要件を整えるよう求められています。
e-KYCや配給店の近代化も同時進行
会議では、国家食料安全保障法の受給者を対象にしたAadhaar(インドの国民ID)によるe-KYC(本人確認)の徹底や、今月の配給から顔認証アプリを使うことも確認されました。e-KYCの実施率が95%以上の県は評価するとしています。また、各県で5店舗ずつ配給店を選び、農村雇用保証制度(MGNREGA)などと組み合わせて設備を近代化する方針も示されました。
なお、今回の報道では、受給者がデジタル通貨をどのように受け取って使うのか、対象となる人数や金額といった具体的な仕組みは明らかにされていません。配給という身近な行政サービスにCBDCがどう組み込まれるのか、11月15日からの試験の続報が注目されます。
出典: KNS (Kashmir News Service)「J&K to roll out digital currency-based ration distribution from Nov 15」