ロシアでは今年9月1日にデジタルルーブルの本格的な導入が始まりました。この導入から2カ月足らずの時期に、国内銀行大手VTBが利用者向けの調査結果を公表しました。報じたブラジルの暗号資産メディアPortalCriptoによると、口座を開いた理由として最も多かったのは「新しいものを試したかったから」で、全体の42%に上ります。
口座開設のきっかけとしては、銀行のモバイルアプリから簡単に開けること(36%)、送金手数料が無料であること(33%)、知人の勧め(21%)が挙がりました。一方で、実際の使い道は送金(28%)、公共料金や税金など政府への支払い(24%)、オンライン購入(23%)、実店舗での支払い(17%)にとどまっています。口座を開いただけで取引をしていない人は約35%で、デジタルルーブルを受け取った、あるいはチャージした経験があるのは5人に1人程度とされています。
利用者が求めているのは、キャッシュバックや割引(54%)、使える店舗網の大幅な拡大(42%)、インターネットに接続できない環境でも使えるオフライン決済(38%)です。ロシア中央銀行のチスチュヒン副総裁は、オフライン決済が実現すれば現金と競争できるようになるとの見方を示したと伝えられています。
また、国家院(下院)では、デジタルルーブルによる国際決済を中央銀行が管理・制限できるようにする法案が第一読会を通過したと報じられています。想定される主な受益者は一般市民ではなく輸出関連の事業者だとされています。なお、記事ではVTB調査の標本数や調査方法は示されておらず、結果の解釈には注意が必要です。10月初めには財務省職員への給与支給が始まるなど、導入は動いていますが、日常的な利用の定着はこれからの課題といえそうです。
出典: PortalCripto「Digital ruble advances with curiosity and still limited use」